【Wordのタブとスタイル】「論理哲学論考」を見やすくしてみた
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目次
Wordで「論理哲学論考」を見やすくするにあたり
使用テキスト
『論理哲学論考』法政大学出版局
L.ヴィトゲンシュタイン 著
藤本隆志/坂井秀寿 訳
命題の番号について
各命題に付された番号は、論理的重要性(著者の強調したい度合い)をあらわす。
たとえば、〈命題n.1〉や〈命題n.2〉 は〈命題n〉に対する註であり、〈命題n.m1〉や〈命題n.m2〉は〈命題n.m〉に対する註となる。
表記のルールと本記事の目的
本文はテキスト訳文から引用し、命題番号は原文表記(英数字)に従うものとする。
なお、説明の都合上、筆者が省略した個所は(中略)とした。また、本記事の目的は命題群の解釈ではなく『論理哲学論考』(以下『論考』と表記)の本文そのものを見やすく表示することのみにある。
それでは、さっそくWordで「論理哲学論考」の本文を表示して、見やすい設定にしていきます。
Wordで本文を表示する
訳書では縦書きですが、ここでは横書きにしています。
論理式が出てくるあたりは横書きの方が見やすいかもしれません。
もともと『論考』は(読みやすいかどうかは別として)見づらい構成ではありません。
それぞれの命題には番号が付されていますので、議論されている階層のレベルは明白です。しかし、この命題番号の秩序が分かりにくいので、表示を工夫してみようと思います。
「アウトライン」で表示すると見づらくなった
まず、Wordのアウトライン機能を使って階層のレベルが分かりやすくなるように表示してみます。
先述の命題の番号についてにあるように、〈命題1.11〉は〈命題1.1〉に対する註となります。
参考記事:【Word】目次の作り方~自動で作成する2 アウトラインで作成する~
アウトラインレベルを設定することで各命題に見出しが付き、同列に記述されていた論理階層を視覚的に表示することができます。
しかし、画面がごちゃごちゃしていて本文が見やすくなったとはいえません。その理由のひとつとして、以下の問題点があげられます。
- 第三階層の〈命題2.01〉は〈命題2〉に対する註であると考えられるが、〈命題2.1〉の階層レベルと区別するためには、〈命題2〉から二階層分レベルを下げなければならない。
- さらに〈命題3.001〉は〈命題3〉に対する註であり、画面上で三階層分の開きが生じてしまう。
このように、『論考』では階層の奥行きがなめらかになっていない個所があるので、厳密に設定しようとすると、かえって本文が見にくくなってしまうのです。
とくに、〈命題n〉に対する註〈命題n.0…〉の扱いが悩ましいところ。
そこで、Wordのアウトラインはあきらめて、タブとスタイル機能で最適表示をしていきます。
「タブ」と「スタイル」で本文を見やすくする
〈ホーム〉→〈スタイル〉→「スタイルの作成」→〈書式から新しいスタイルを作成〉で名前をつけて「変更」→〈スタイルの変更〉ダイアログボックスより設定します。
① 第一階層のスタイルを作成する
② 第一階層は「中央揃え」
③ 「タブ」で階層が分かりやすいように段落を移動
④ ほかの階層にもスタイルを作成していく
見出しの階層が深くなって見づらくなっていた部分は下図のように設定してみました。
〈命題2.01〉については〈命題2〉に対する註であることが明確になり、かつ〈命題2.1〉との階層の区別もできています。
ウィンドウの幅が狭いときは、タブの間隔を調整してください。
ただし、命題番号の「桁の数」と「階層の深さ」が等しくなるよう設定していますので、タブの数は変更しないほうがいいでしょう。
また、論理階層をずらしていくやり方は、「閲覧モード」や「WEBレイアウト」で見ることを前提としており、「印刷レイアウト」には適していません。階層が深くなるほど、どんどん見づらくなってしまいます。
印刷を考えるなら、階層で表示するレベルを制限する必要があるでしょう(たとえばタブで階層をずらすのは第三階層までとし、第四階層からは同階層にする)。
〈表示〉→「下書き」で表示すれば画面をより広く見ることができます。
以上、最適な表示方法といっても環境に合わせた様々なやり方があるでしょう。今回はこれをもって『論理哲学論考』を見やすく表示するための最適解とします。
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