読みやすいのは縦書き?横書き? 冊子づくりのポイント(2)
卒業アルバム以外の無線綴じなどは引き続き承っております。
縦書きと横書き、両方あるのはなぜ?
日本は、文字を書き進める方向(書字方向)が「縦書き」と「横書き」とが混在する世界的にみてもかなり特殊な文化の国です。
というのも、世界のほとんどの国は「縦書き」もしくは「横書き」のどちらかに統一されており、「横書き」が主流の国が大半です。
日本に文字が入ってきたのは邪馬台国の時代、3世紀ごろには確実であったのではといわれており、中国から漢文が伝えられました。いわゆる「漢字」です。
漢字が伝わる以前は「神代文字」と称されるさらに古い表記があったとされていますが、はっきりとしていません。
漢字は縦書き専用であったため、そのまま縦書きが採用されていったと思われます。その後、日本独自のひらがなやカタカナが生まれますが、そのまま縦書きが使われていました。
江戸時代以降は欧米文化、ローマ字が入るようになり、横書きも使われるようになりました。
また、日本語と英語などを組み合わせて使用することも増えたため、横書きが使われる機会も増えていったようです。しかし、縦書きが極端に減ることはなく、現代でも縦書きと横書きは併存しています。
これほど欧米文化が取り入れられている日本でも、縦書きが廃れないのはなぜなのでしょう?それはやはり日本語の文章の中には漢字が多く使われているため、慣れ親しんだ縦書きの方が読みやすいと感じる、というのもひとつの理由でしょう。
本の内容に合わせて書字方向を決めて、読みやすさアップ!
基本的な書き字方向は下の図のように、冊子の綴じ方向(右綴じ/左綴じ)と合わせて、読者の目線で文章の読みやすい方を選択します。
●ブログの小説化、書籍化のとき
インターネットを見ているパソコンやスマートフォンで読んでいる、そのままの形態で書籍化することも増えてきました。
ネットで公開していた時の主な読者が10代~30代前半くらいの年齢層であれば、画面そのままの「横書き」の方が読みやすく、また、同じ画像やデザインで世界観をつなげられる効果もありますね。
●自分史や同人誌を自分で作るとき
一から原稿、文章をつくって一冊にまとめる時、「縦書き」にするか「横書き」にするか、悩まれる場合があるかもしれません。
おすすめの決め方の一つに、文中のローマ字の使われ方、使用頻度で書字方向を決める方法があります。
英文やIT用語などローマ字が多用されている文章は、縦書きにすると読みづらく、レイアウトが困難になります。
縦書きの中に文字数の多い英単語が出てきた場合、多くはそのまま本を横にして読むように文字を寝かせたような状態で表記します。
ひと文字ずつ縦に並べてしまうと、短いスペルの英単語なら縦書きでも問題ありませんが、長いスペルや頻出する場合は大変読みづらくなってしまいます。
もし、自分史や同人誌などで横文字(英単語)が多くなる場合は「横書き」を基本に、読みやすいレイアウトを考えてみましょう。
前回の右綴じ?左綴じ?どっちにすればいい?~冊子づくりのポイント(1)~では書字方向から本を綴じる位置の決め方ついて書きましたが、原稿を書いて、印刷用のデータにして、印刷・製本して本になるまでには決めなければならないことは案外多いのです。
このブログでは「読みやすい本を作る」「作りたい本を作る」コツを色々とご紹介していきます。本作りのおともに、ぜひ参考にしてみてください。
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