無線綴じとは?特徴や冊子印刷の価格、メリットとデメリット【製本の種類その2】
卒業アルバム以外の無線綴じなどは引き続き承っております。
目次
無線綴じとは?
無線綴じとは、本文の束(折丁)の背の部分を製本用の特殊糊で固め、表紙用紙でくるんで綴じる本格的な製本方法です。背表紙があり、しっかりとした直方体の冊子になります。「くるみ製本」ともいいます。
冊子印刷の代表的な製本方法で、教材や報告書、文庫や記念誌を始め、商業誌や書籍に幅広く採用されています。
「中綴じ」との違い
無線綴じ冊子 |
中綴じ冊子 |
無線綴じと中綴じの大きな違いは「背」のかたち、背表紙の有無です。
無線綴じ冊子には角のしっかりした背表紙がありますが、中綴じ冊子は背表紙が無く、紙を二つ折りにして針金で綴じます。
無線綴じは教科書や文庫など、ページ数の多い冊子も綴じることができます。中綴じはパンフレットや会報などページ数の少ない冊子に向いています。
詳しくは、無線綴じと中綴じはどう違う?印刷価格や特徴を比較した選び方でご紹介しています。
綴じ方向(右綴じと左綴じ)
冊子印刷は右側と左側、どちらかの綴じ方向を指定して発注します。
右綴じと左綴じ、どちらにするかルールがあるわけではありませんが、本文が縦書きだと「右綴じ」、本文が横書きだと「左綴じ」が一般的です。
本文を読む目線の流れ、文字を読む方向が基準となります。
ちなみに、マンガは右綴じ。
目線の流れは横方向ですが、コマ割りが右上から始まるなので「右綴じ」となっています。
詳しくは、右綴じ?左綴じ?どっちにすればいい?~冊子づくりのポイントでご紹介しています。
無線綴じの製本工程
無線綴じ製本で、背に溝を入れる工程をガリといいます。
のこぎり等で背に対して垂直に切り込みを入れ、糊が入るようにする溝を作ります。
紙の端にしか糊がついていないのに、ページがバラバラになってしまわない?と心配になりますが、この「ガリ」によって、ホットメルトと呼ばれる特殊な糊が用紙に触れる表面積を増やして強度を高めます。
ホットメルトは、熱で溶けて液体になり、常温になると固化する不燃性の接着剤です。
次のミーリングという工程では、印刷した後に背を切り揃え、本文の背をきっちり揃えて全ページにまんべんなく糊が付くようにします。
しっかりと糊をつけた本文に、表紙の用紙を巻きつけ、専用の機械でずれないように押さえつけて、糊が乾くまで固定したら無線綴じ冊子の完成です。単純なようで、繊細で丁寧な作業を要求される無線綴じは、冊子を美しく本格的に仕上げることができる製本方法です。
無線綴じの製本。黄色線の部分を製本用の特殊糊で固めて綴じます。
無線綴じ冊子 3つのメリット
①背表紙がある
無線綴じ冊子の背は平らに整えられた背表紙があります。
背表紙にタイトルを入れると一気に本らしい見栄えになり、高級感が出ます。背表紙にタイトルがあると、本棚に並んだ時に見付けやすく、整理も楽です。
書店で平積みにしても崩れにくく、横からタイトルが確認できて便利ですね。
背表紙の背幅は何mm?
背表紙の幅、背幅はページ数と紙の種類(紙厚)で決まります。
背幅が5mm以上になる冊子は、背表紙もデザインしてみましょう。
3mm未満の背幅は、文字を入れても小さくて読みづらく、表紙や裏表紙にはみ出てしまう可能性があるため、デザインを入れないことが多いです。
無線綴じ冊子の表紙の入稿データ作成に必要な背幅(mm)を自動計算できます。
用紙と本文のページ数、サイズを入力すると、背幅(mm)が表示されます。
背表紙は何ページからできる?背幅は何mm必要?【無線綴じ製本の背表紙】
②ページ数の多い本も、しっかり綴じられる
無線綴じは、100ページを超えるような冊子でも問題なくしっかりと製本できます。
「中綴じ」や「平綴じ」は針金、ホチキスで綴じる構造上、薄くて軽い冊子向きの製本方法で、ページ数の多い冊子は綴じられません。
イシダ印刷では、4~800ページまでの無線綴じ製本に対応しています。
ページ数が増えるほど背幅は広くなり、背表紙に模様やイラストを入れたりデザインの幅が広がります。
③さまざまな装丁ができる
片袖折り
本文を表紙でくるんだ状態で無線綴じ冊子は完成しますが、様々な装丁をつけることができるのも無線綴じ製本の大きな魅力です。
扉や見返し、ブックカバー・帯などの装丁と合わせて、表現力豊かな1冊が完成します。
他にも表紙に金や銀の箔押しでタイトルやロゴを飾ったり、PP加工を追加して表紙の耐久性を高めつつ豪華に演出したり、片袖折りで地図や年表、ポスターなどを折りこむ装丁もあります。
PP加工(表紙)
無線綴じ冊子のデメリット、対処方法は?
見開きデザインには不向き、レイアウトに注意を
無線綴じは製本の構造上、ノド(綴じ込み部分)が数ミリ隠れてしまいます。
ページの中央部分を端まで開き切ることができないため、読みづらくなります。
地図や絵本など、見開きデザインの本を無線綴じで作る時は、入稿データのノド部分に重要な図や文字を置かない工夫をしましょう。
ページ数が少ない冊子には「中綴じ」
無線綴じは数ページでも製本できますが、背表紙の幅をしっかり作るにはある程度の背幅が必要です。
背表紙がなくてもよい、ページ数の少ない冊子には「中綴じ」がおすすめです。
イシダ印刷では、4~40ページ(4の倍数のページ数)の中綴じ冊子印刷ができます。
無線綴じが向いている冊子
- 文庫本、小説
- カタログ
- パンフレット
- 論文・学術誌
- 報告書
- 教材、教科書
- 雑誌、情報誌
- 記念誌
- 自費出版、企業出版
- コミック、ムック本
- 写真集、作品集
無線綴じはページ数の多い冊子印刷に適しており、ビジネスやクリエイティブ、事務系など様々な冊子に用いられています。
書店に並ぶ書籍の多くは無線綴じで製本されています。
無線綴じ冊子の印刷価格
無線綴じ冊子の印刷製本価格を、問題集などの教材や報告書、広報誌等のテキストでよく選ばれる仕様を例に見てみましょう。
- サイズ : A4
- 製本方法 : 無線綴じ
- 表紙 : コート紙135K/カラー
- 本文 : 上質紙70K/モノクロ
- 印刷方法 : オフセット印刷
- PDF入稿(10%OFF!)
*キャンペーン期間中は割引価格を表示しております。
例えば、A4の無線綴じ冊子50ページを300冊を印刷製本すると、1冊146.6円です。
※納期は超ゆったりコース (10営業日)です(2022年5月現在)
大部数には「オフセット印刷」がお得です。
1~150部程度までの少部数は「オンデマンド印刷」を選ぶと、オフセット印刷より安くなります。
他の用紙や部数、オプションを使った無線綴じ製本の料金は3分でわかる!かんたん無料自動お見積もり&ご注文でお確かめください。
最短2営業日出荷!
同じ仕様でも、納期を7日、10日と長くすると安くなり、お得です。
イシダ印刷の無線綴じ冊子印刷
イシダ印刷では4~800ページまでの無線綴じ冊子の印刷製本に対応しています。
複数の著者で構成された論文集、多ページにわたる報告書などボリュームのある冊子も、自由度の高い構成・編集で1冊にまとめられます。
イシダ印刷で最も多くの納品実績のある無線綴じ冊子印刷は、経験豊富な技術スタッフと、冊子・書籍に適した設備で、品質とコストのバランスの取れた印刷製本を行っております。
特に、モノクロ印刷の冊子、100冊~1000冊のボリュームゾーンでは無線綴じはもちろん、中綴じや平綴じでも、他社を圧倒する激安価格、抜群のコストパフォーマンスです。
「こんな本にはどんな用紙がいい?」「予算に合った仕様にしたい」など冊子作りのご相談は
電話連絡先:06-6753-9955 / 法人専用窓口:0120-264-233
(平日10:00~18:00)
またはお問合わせフォームからお気軽にお問合わせください。
印刷製本の専門スタッフがお答えしております。
冊子のジャンルから選ぶ
利用シーン、目的に合った冊子印刷の仕様を、価格例と合わせてご提案しています。
お見積り&ご注文でサイズや部数、製本方法などを変更してすぐに印刷価格がチェックできます。
製本方法から選ぶ
製本方法のメリットを活かした仕様、冊子のページ数や部数に合った仕様を格安でご提案しています。
対応サイズや用紙、印刷仕様、オプション加工、納期、価格例をご案内します。