原紙サイズとそれぞれの用途、A列と菊判、B列と四六判の使い分け
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コピー機や家庭用のプリンターで印刷をする時には、A4やA3、B4など、様々な大きさの紙を買って使います。
文具店にはA4やA3、B4などの使いやすいサイズの紙が並んでいますが、製紙会社は小さなサイズの紙を作っているわけではありません。大きな「原紙」サイズの紙を作って、それを小売店や文具メーカーが裁断して商品にしています。
印刷会社の場合は、原紙で紙を仕入れ、冊子の原稿を入るだけ並べて印刷し、最後に冊子サイズに裁断します。
目次
原紙のサイズ
原紙のサイズはJISで定められており、すべての製紙メーカーが同じ大きさの紙を作るようになっています。しかし、原紙のサイズは一つではなく、似たような大きさの規格が複数あります。
- A列本判(625×880mm)
- B列本判(765×1,085mm)
- 菊判(636×939mm)
- 四六判(788×1,091mm)
- ハトロン判(900×1,200mm)
5種類の原紙のサイズは、印刷物の大きさを考えて一番無駄なく面付けできる紙を使います。
A4やA3などを印刷したい時はA列本判、B4やB5の冊子を印刷する時はB列本判を使います。
A列本判も、B列本判も、A4やB4をぴっちり並べた大きさよりもやや大きいサイズです。
印刷した時にトンボのスペースや適度な隙間も確保できるように作られているのです。
A列本判(625×880mm)
様々な冊子やチラシ、コピー用紙などで最もメジャーなサイズ、A4のもとになる紙です。A4列本判はA1より少し大きく、印刷する時にトンボや適度な余白が入れられるようになっています。日本では様々な印刷物に使用される登場頻度の高いサイズですが、日本に取り入れられたのは1929年で、意外と歴史は浅いです。ドイツの工業規格が元になっており、今では世界で広く普及している国際規格です。
B列本判(765×1,085mm)
B列はA列と対になって扱われがちですが、実はその歴史はほとんど接点がありません。B列は、江戸時代に広く使われていた「美濃和紙」の判型に由来します。A列がドイツ発祥で国際規格なのに対し、B列は日本独自の規格で、日本のB列と海外のB列は微妙に違うので注意しましょう。
菊判(636×939mm)
菊判は日本風な呼び方ですが、日本発祥のサイズではなく、明治時代に新聞用紙としてアメリカから輸入した紙です。「菊」の由来は新聞の「聞く」や、アメリカの商標のダリアからとられたとされています。A列より少し大きいサイズなので、A列本判と菊判はほとんど同じような使われ方をしています。
四六判(788×1,091mm)
四六判は、明治時代に取り入れられた、イギリスの紙の規格「クラウン判」がもとになっています。
B列のもとである、日本で古くから親しまれてきた美濃判と似ていることから使い勝手が良く、広く定着しました。B列本判より少し大きいので、B規格の印刷に使われます。
ハトロン判(900×1,200mm)
ハトロン判は、冊子印刷ではほとんど登場しないサイズでしょう。薬莢を包む、片面がつるつるした丈夫な紙の「patroonpapier」が語源です。今でも基本的に包装紙として使用されています。包装紙の他には、カレンダー、地図などの大きな印刷物によく使われています。
A列と菊判、B列と四六判の使い分け
上の図を見ると、A列本判と菊判、B列本判と四六判の大きさがとても似ています。
実際、A4の冊子を印刷する時に、A列本判を使うこともあれば、菊判を使うこともあり、B4の冊子を印刷する時に、B列本判を使うこともあれば、四六判を使うこともあります。
なぜ似たような規格サイズが混在しているかというと、そのサイズが発生した時代や国がバラバラだからです。
紙の種類によって、四六判は取り扱いがあるけどB列本判はなかったり、A列本判はあるのに菊判はなかったりして、印刷所の紙の選択も状況によって様々に変わります。
しかし、いずれにしろ紙自体のコストは大して変わらないので気にすることはありません。
通常、印刷時に使用する原紙サイズは印刷会社が決めます。印刷物の仕上がりサイズを伝えれば、印刷会社が最も効率良く面付けができる原紙を選択して印刷します。
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