冊子印刷の紙選び 3つのポイントと用紙別の印刷価格シミュレーション
卒業アルバム以外の無線綴じなどは引き続き承っております。
冊子印刷でとっても重要な、本文の用紙選び。イシダ印刷では豊富な用紙のラインナップの中から好きなものを選べます。
用紙は冊子、書籍のデザインや印象を決定づける要素ですが、銘柄だけ見てもいまいちイメージしにくいですよね。
このコラムでは、用紙選びのポイントを「質感」「色合い」「価格」の違いで比較ます。
目次
手触り、冊子の雰囲気を左右する「質感」
- 表面が平滑でつやつやした光沢があるのが「コート紙」「アートポスト紙(表紙のみ)」
- さらさらしてしなやかでプレーンな質感の「上質紙」「色上質紙」「書籍用紙」「ホワイト書籍」
- 僅かに凹凸があってナチュラルで柔らかい印象の「ラフ書籍」「モンテシオン」「モンテルキア」
本文用紙は、冊子の中で演出したい雰囲気によって使い分けましょう。
【レトロ、クラシカル】
レトロな雰囲気や、クラシカルな格調高い雰囲気を出したいなら、書籍用紙、ホワイト書籍、ラフ書籍、モンテシオンなどが合います。
【派手、華やか】
目立つ、鮮明に、明るい印象を持たせたい冊子には発色が鮮やかで、光沢のあるコート紙が一番です。
【ナチュラル、プレーン】
ナチュラルな雰囲気を演出できるのは、上質紙、マットコート紙、モンテルキアなどです。
「新・清流じゅんぱく」「江戸小染 はな」「レザック」ははっきりと目に見えるエンボス模様がついているファンシーペーパーで、基本的に本文には使われません。
読みやすさ、デザインの見え方を左右する「色合い」
- 白色度の高い用紙は清潔感や誠実さが伝わるので、企業出版、プレゼン資料、会社案内、教材など幅広い用途で使えます。カラー印刷なら落ち着いた質感のマットコート紙が定番です。
- 上質紙は最もプレーンで安価で、教材や論文集や説明書など、シーンを選ばずに活躍します。
- コート紙、マットコート紙、モンテルキアはカラー印刷の発色も良く、紙の色が写真の色に干渉しないので、カタログ、写真集、パンフレットなどビジュアル要素の強い冊子に最適です。
- 一方、淡く色のついた用紙は墨文字とのコントラストを下げるので目に優しいです。書籍用紙・ラフ書籍はページ数の多い小説や文庫に向いています。また、クラシカルな雰囲気も演出してくれます。楽譜にも少し黄色味がかった紙、淡い色の紙がよく使われています。モンテシオンはレトロな雰囲気を演出する時にも使えます。
- 図の左側の色付き用紙は主に表紙用で、様々なカラーバリエーションの中から好きな色を選べます。カラー印刷をしなくても十分に華やかなので、地を生かしたデザインがおすすめです。
リーズナブル?高級?予算に応じて選べる「価格」
主な取り扱い用紙をコストの安い順に並べてみました。
安い方から順番に、上質紙 → 書籍用紙・色上質紙 → コート紙・マットコート紙 → アート紙・マットポスト紙 → レザック等 になります。
紙は厚さによって値段が変わりますし、製紙会社の状況によって値下げ・値上げがいつ起こるか分からないので、価格は常に変動しています。正確なコストは随時見積もりで計算するのが確実ですが、ざっくり上の図のような順番で覚えておくといいでしょう。
プレーンな上質紙が一番安くて、エンボス加工や、つるつるしたコーティングが施されていたりするとコストが上がるイメージです。
紙の値段は枚数によって変わる?
印刷製本の用紙に「一枚いくら」と一定の価格はありません。
文具店などでは「A4一枚◯円」という販売になりますが、印刷所で使う用紙は大きな紙に複数のページを面付けして使っていくので、印刷するページ数や部数によって一枚あたりの価格は変わります。この方法は生産工程や生産コストを合理化、効率化するために採用されていて、小さくカットして小売りされる市販の用紙よりはるかに安く用意でき、市販の紙を買って刷るより断然安くなります。
参考記事:
印刷価格が決まるポイント①【面付けと折丁について】
印刷価格が決まるポイント②【台数について】
高級そうな紙も、意外と冊数によっては手の届く金額になったりもします。
【用紙別】見積りシミュレーション
イシダ印刷で取り扱いのある用紙の中から、よく使われている代表的な用紙をピックアップして、それぞれの印刷製本価格を比較してみます。
本文用紙を変えて比較
例えばA4サイズの冊子を100冊作るとして、下記のような仕様で、本文用紙を変えて印刷製本価格を比較します。
- 部数:100冊
- サイズ:A4
- ページ数:100ページ
- 表紙の用紙:コート紙135K
- 印刷の色:表紙/カラー片面(表1と表4) 本文/モノクロ
- 印刷方法:オンデマンド印刷
【代表的な本文用紙の印刷製本価格の比較】
上質紙70K | 30,936円 |
上質紙90K | 32,902円 |
書籍用紙72.5K | 32,442円 |
書籍用紙90K | 34,255円 |
コート/マットコート90K | 33,332円 |
70K、90Kの「K」は重さを表しており、上質紙はコート紙よりも軽いので、上質70Kとコートの90Kはさほど厚みに違いを感じられません。その辺りも留意して価格を見ていくと、やはり上質紙が安いですが、コート紙との価格差は2,000円~3,000円ほどです。
表紙用紙を変えて比較
次は表紙を変えて価格を比べてみましょう。
- 部数:100冊
- サイズ:A4
- ページ数:100ページ
- 本文の用紙:上質70K
- 印刷の色:表紙/カラー片面(表1と表4) 本文/モノクロ
- 印刷方法:オンデマンド印刷
【代表的な表紙用紙の印刷製本価格の比較】
色上質特厚口 | 28,335円 |
色上質最厚口 | 28,453円 |
上質135K | 30,921円 |
コート/マットコート135K | 30,936円 |
アートポスト200K | 31,451円 |
マットポスト220K | 31,954円 |
レザック66 175K ※モノクロのみ対応 |
34,923円 |
レザックが最も価格が高くなりますが、用紙に色、エンボス模様がついており、モノクロ印刷で全体のコストは安くなっています。
アートポスト、マットポストはコート紙よりもさらに発色がきれいで、しっかりとした厚手のラインナップがあります。「表紙のグラフィックデザインや写真をより鮮明に美しく表現したい」「立派な印象に見せたい」ときに、少しコストをかけて表紙の紙をランクアップするのもおすすめです。
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次回は紙の「厚さ」から用紙を選んで読みやすい、めくりやすい冊子にするポイントをご紹介した冊子印刷の用紙を「紙の厚さ」から選ぶ!ページ数、用途別に解説です。
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