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冊子とは?本との違い、定義をくわしく解説します

本年度の卒業アルバムのご依頼について、予定する冊数を超えましたので停止しています。
卒業アルバム以外の無線綴じなどは引き続き承っております。

本、冊子

 

「本を作りたい」と思っているけれど、印刷会社のWEBサイトで「冊子」という言葉が出てきて困惑していませんか。

「自分が作りたいのは冊子ではなくて本なんだけど」と思っていませんか。

 

この記事では、本を作りたい方の「冊子ってなに?」という疑問を解決します。

 

冊子の定義

「冊子」を定義するためには、

①「冊」の字義の推移をしらべ
②「冊子」の語義の推移をしらべ
③「booklet」の語源をさかのぼり(必要ならば多言語にあたる)
④「booklet =(小)冊子」となった経緯をしらべ
⑤ bookとbookletの違い、および本と冊子の違いをしらべ(必要ならば多言語にあたる)
⑥ ①〜⑤から「冊子」の一般的な定義を確認し
⑦ 印刷用語としての「冊子」を定義する

と、このくらいの手順が必要になりますが、ここでは手順①〜⑥を省略し、⑦から始めたいと思います。

 

「冊子」とは「本」のことです

印刷用語としての冊子は、本とイコールの関係です。

しかし、これは「冊子」という言葉がもっている一般的なイメージとは、少し隔たりがあるように感じます。

 

では冊子と本のイメージとは、一体どんなものでしょうか。

 

「冊子」のイメージ

「冊子」のイメージ

 

「本」のイメージ

「本」のイメージ

  • 上製本(ハードカバー)
  • 並製本(ソフトカバー)
  • 新書や文庫

 

このようなイメージを持たれている方が多いのではないでしょうか。

本と冊子に対して上記のイメージが一般的に共有されているとすると、ある本は「本」であり、また別の本が「冊子」であると感じられるのはなぜでしょうか?

その理由を考えてみたいと思います。

 

たとえば、下の画像は「冊子」としては微妙なところですが、

『性格別のしつけ方・基本編』愛犬のためのしつけシリーズ

『性格別のしつけ方・基本編』愛犬のためのしつけシリーズ

 

同じものを、本にはさむと一気に「冊子」性が高くなります。

『全犬種標準書』しつけ方の冊子付き

『全犬種標準書』に「性格別のしつけ方・基本編」冊子付き

 

つぎの場合は、「冊子」と思っていた『性格別のしつけ方・基本編』が「本」らしく見えてきます。

『しつけ方・基本編』犬のセーターの冊子付き

『性格別のしつけ方・基本編』に「犬のセーター」冊子付き

 

しかし、「本」を「本」に挟んでも「冊子」感は出せません。

「本」を「本」に挟んでも「冊子」感は出せません。

 

このように、冊子(のイメージ)には「うすい」という要素があるのです。

雑誌の付録本が「冊子」と呼ばれることなどから、こういったイメージが形成されたのかもしれません。

 

辞書での「冊子」の意味

国語辞典を見てみると、

【冊子】綴じた本。転じてひろく書物。…

 

と、ほとんどの辞典でおなじような意味になっており、冊子と本は(定義としては)イコールであるとしてもよいことが分かります。

印刷業界で本のことを「冊子」としているのも間違いではないのです。

 

ただ、冊子には「うすい」というニュアンスを含む(と考えられる)ため、辞書の定義はわたしたちの感覚にぴったりではありません。

 

ちなみに手元にある国語辞典のうち、『三省堂国語辞典』(通称さんこく)だけに「うすい」という語釈がありました。さすが『三国』さん、進歩的との評判も納得です。

『三省堂国語辞典 第7版 小型版』

『三省堂国語辞典 第7版 小型版』

 

言葉のあたらしい意味が世の中に定着するとき、辞書の語釈にも採用されることになるのですが、その時期は辞書によって異なります。

 

すべての辞典の見出し語【冊子】に「うすい」という意が加わる日も近いかもしれません。

 

さいごに

ともあれ、印刷業界では「本」は「冊子」ということになっていますから、「本を作りたい」「本の印刷会社を探している」という方は、「本」ではなく「冊子」で検索してみることをおすすめします。

 

検索意図に合った結果がより多く表示され、あなたにぴったりな印刷会社が見つかることでしょう。

 


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