ユニバーサルデザインフォント(UDフォント)の特徴と用途【遠くても小さくても読みやすい】
卒業アルバム以外の無線綴じなどは引き続き承っております。
目次
UDフォントとは?
文字をより読みやすく、伝わりやすく
私たちは常に文字に囲まれて生活をしています。
新聞、教科書、資料集、小説などの印刷物はもちろんのこと、駅や道路の案内板、テレビ、携帯電話の画面など、朝起きてから眠るまで大量の文字に触れて暮らしています。
そんな生活の中で、必要な情報を正確に、読みやすい文字で伝えることもデザインの重要な要素の一つです。
例えば、会社案内や資料集、説明書、テキストなどビジネス系の冊子の場合、あまり個性的すぎず、万人が読みやすいフォント(書体)を選び、読む人が本文の内容に集中できるようなデザインが求められます。
様々なフォントがありますが、近年広告や企業の広報誌などで使用例が増えてきていているのが、ユニバーサルデザインフォント(UDフォント)です。
ユニバーサルデザインとは、どんな人にも使いやすい製品や生活環境をデザインする考え方です。
ユニバーサルデザインの7原則
- どんな人でも公平に使えること。(公平な利用)
- 使う上での柔軟性があること。(利用における柔軟性)
- 使い方が簡単で自明であること。(単純で直感的な利用)
- 必要な情報がすぐに分かること。(認知できる情報)
- うっかりミスを許容できること。(失敗に対する寛大さ)
- 身体への過度な負担を必要としないこと。(少ない身体的な努力)
- アクセスや利用のための十分な大きさと空間が確保されていること(接近や利用のためのサイズと空間)
グラフィックの分野においては、色覚障碍のある人にも識別しやすい色使い(CUD/カラーユニバーサルデザイン)や、一目で分かりやすいインフォグラフィクスやアイコンの表現などがあります。
フォントにおいてもユニバーサルデザインのコンセプトに基づいた、可読性(読みやすさ)、視認性(見やすさ)を追求した書体、ユニバーサルデザインフォントが様々なメーカーで開発されています。
読んでいても疲れにくく、誤読しにくい、小さな文字でも潰れず読みやすい、判読性に優れた書体として、WEBや看板以外にも冊子や書籍のデザインでも多く使われています。
ユニバーサルデザインフォント(UDフォント)と、既存フォントの違い
説明書、会社案内、資料集などで使われる定番のゴシック体「ヒラギノ角ゴシック」と、UDフォントの「ヒラギノUD角ゴシック」を比較して、視認性や可読性の違いを確かめてみましょう。
並べてみると、ひらがなの「に」や「た」の違いが分かりやすいですね。
UD書体は「はね」や「はらい」を簡略化したデザインになっています。
重ねてみると、より違いがはっきりします。
「ろ」は左下の開いた部分が広くなっています。
「ろ」は開口部が狭かったり装飾的だと「る」や「6」と見間違えやすいですが、UDフォントは小さい文字、解像度の低い画面になっても、左下の開口部が繋がって見えないようにしているのです。
同様にアルファベットの「S」も開口部が広くなっています。
欧文の文字同士の間隔が広く、すっきりとして見やすくなっています。
UDフォントの主な用途
携帯電話やスマートフォンの画面など小さい領域に表示される文字や、遠くからでも読める道路標識、駅の案内板等、UDフォントの特徴を生かしたシーンで採用されています。
他にも、商品説明書や企業案内などにも使われています。
UDフォントは読みやすいだけでなく、デザイン性も高く現代的な印象のフォントです。
印刷物においても、公共性の高い冊子だけではなく、記念誌や論文集の本文、アルバムや写真集のキャプションなど、様々な原稿に積極的に使ってみるのもいいでしょう。
各メーカーのUDフォントの紹介
代表的なUDフォントは以下のフォントメーカーから発表されています。
イワタUDフォント
松下電機(パナソニック)とイワタが2006年に共同開発した、初めてのUDフォントです。
フォント名
- イワタUDゴシック
- イワタUD丸ゴシック
- イワタUD明朝
- イワタUD明朝かなA
- イワタUD新聞明朝
- イワタUD新聞ゴシック
http://www.iwatafont.co.jp/ud/index.html
モリサワUDフォント
有名書体メーカーのモリサワも2009年に発表し、新ゴシックや黎ミンなどの既存の書体をより読みやすくデザインしたUDフォントを作っています。
フォント名
- UD黎ミン
- UD新ゴ
- UD新丸ゴ
- UDデジタル教科書体
- UD新ゴ ハングル
- UD新ゴ 簡体字 など
https://www.morisawa.co.jp/fonts/udfont/
ヒラギノUDフォント
Macユーザーにおなじみのヒラギノ。SCREENグラフィックソリューションズ(大日本スクリーン製造)から発売され、高速道路の標識にも採用されています。
フォント名
- ヒラギノUD角ゴ
- ヒラギノUD丸ゴ
- ヒラギノUD明朝
http://www.screen-hiragino.jp/lineup/hirud/
モトヤ
GoogleのブラウザChromeやスマホOSのAndroid、マピオンでも採用実績のある、株式会社モトヤが開発。
フォント名
- UDアポロ
- UDシーダ
- UDマルベリ
- UD明朝
- UD新聞書体
http://www.motoyafont.jp/shop/fonts/udfont/
UDフォント以外にも可読性を上げる、フォントのいろは
UDフォントが生まれる以前からある、ベーシックなゴシック体や明朝体。
これらのフォントはデザインや設計が長い歴史の中で洗練され、目的によって効果的な表現方法にセオリーがあります。
「誌面デザインのフォント講座」では4回に分けて、フォントの基礎、書体や書式によって読者に与える印象、本や冊子の種類によって向き不向きがあるフォントなどを紹介しています。
誌面デザインのフォント講座 その3【ゴシック体と明朝体の使い分け】
誌面デザインのフォント講座 その4【タイトル向き、本文向きのフォント】
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