トンボの意味、印刷データにトンボは必要?【入稿方法】
卒業アルバム以外の無線綴じなどは引き続き承っております。
トンボといってもいろいろあって、例えば虫の「蜻蛉(かげろう)」はトンボの古称で「とんぼ」とも読みます。
古くは源氏物語で薫の君が詠んだ歌にも登場します。
ありと見て 手にはとられず
見れば又 ゆくゑもしらず 消えしかげろふ
(源氏物語「蜻蛉」)
「(眼前に)あると見えても手につかむことは出来ず、見ているうちにどこへとも知れず消えてしまったかげろうだ。」(新日本古典文学大系23、318頁脚注)
結句にある「かげろふ」が蜻蛉ですね。
短命な蜻蛉は、姿かたちが虫のトンボに似ていなくもないですが、その儚い趣きは印刷用語の「トンボ」の方が近いようです。
印刷の「トンボ」とは?
印刷用語の「トンボ」は、虫のトンボに似ていることが由来といわれています。ツバメやカモメに似ていますね。
Illustratorでは「トリムマーク」といいます。
四隅にあるトンボは「コーナートンボ、角トンボ」といって、塗り足しと仕上げの位置を示しています。
仕上げ位置の天地左右の中央にある「センタートンボ、十字トンボ」は、トンボにそっくりです。
版ズレ(検討ズレ)を確かめるのにも使われ、紙のほんとうの真ん中よりも尊重されている、われわれの信頼もとりわけ厚いトンボが「センタートンボ」です。
薫の君にとって女性ははかりがたい生きものですが、印刷する紙に記されたトンボは断裁位置を測る重要な目印であって、われわれは概ねトンボを信じて紙を裁断しています。
トンボは紙を裁断してしまえば姿を消して、その痕跡はできあがった本にはあらわれません。
トンボを見たいお客さまは、入稿データを作成する際にトンボを表示して、それぞれの環境でお楽しみいただくほかないわけです。
入稿データにトンボはいる?いらない?
ネット印刷や印刷会社に冊子印刷の入稿をする際、PDFやIllustrator、Photoshopで作成したデータにトンボはなくても問題ありません。
(トンボが必要な場合もあるので入稿時に各社の決まりを確認しましょう)
なぜなら、冊子印刷は製本して順番通りになるように1ページずつ「面付け」をしてから印刷します。その面付けをしたデータにトンボをつけるため、入稿データにはトンボが付いている必要がないのです。
イシダ印刷でも入稿データにトンボは不要です。
トンボと同じくらい重要な「塗り足し」
入稿データにトンボは不要ですが、そのかわり、仕上がり線の端(紙の端)まで写真や罫線、背景を印刷したい場合は、全ページに塗り足しが必要です。
塗り足しは、写真や罫線、背景などを仕上がりサイズより上下左右3mmずつ、計6mm外側に伸ばして配置します。
塗り足しがあることで、紙を断裁するときに、わずかな断裁ズレで紙の白地が出てしまうのを防ぐことができます。
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