ダミーテキストとは?日本語(和文)と英語(欧文)の定番ダミーテキスト
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目次
ダミーテキストとは
上の文章はダミーテキストです。
ダミーテキストとは、「印刷物やWebページの制作過程で、見出しやレイアウトなどを決めるために(文字が入る予定の位置に)必要な字数を埋めただけの意味のない仮の文章のこと」で、たいてい上記のような決まり文句や文学作品などが慣用的に使われています。
ダミーテキストは「サンプルテキスト」または「組見本」ともいって、印刷やデザインの業界では目にする機会が多く、ダミーとして機能させるためにいくつかの要件があるようです。
ここでは、
- わたしたちが特定の文章をダミーであると認識するポイント
- ダミーテキストに必要な条件
を考えてみたいと思います。
「この文章はダミーではありません」?
「この文章はダミーです。」の一文はどこか「自己言及のパラドックス(嘘つきパラドックス)」と似ておりますが、こちらにパラドックスは生じません。
はっきりと自分自身がダミーであることを主張していますので、わたしたちはこの文章を無視しても(全体の理解には)差し支えないだろうと判断し、ほかの部分(レイアウトなど)に集中することができるのです。
ダミーテキストはひと目でそれと分かる必要があります。
では仮に、ダミーテキストが以下のようなものだったらどうでしょうか。
これはダミーテキストではなさそうです。
一般にひろく知られている定型文(「この文章はダミーです。」)を否定することで、そこから何かを展開していこうという書き手の意図が感じられるからです。
そこで、わたしたちはこれを信用し、この文章がダミーではないという主張を認めることにします。
しかし、このあとに次のような文が続くと事情がちがってきます。
これはダミーテキストであり、それ以外のなにものでもありません。
意味のない繰り返しが、テキスト自体の主張(「ダミーではない」)を打ち消していると感じられ、わたしたちは文章の内容をもはや信用することができないのです。
これは何かのパラドックスでしょうか? それとも新手のダブルバインドでしょうか?
ある文章がダミーであるか否か、無視してよいかどうかを判断するための基準は、文章が示している意味内容よりもその反復構造にあるようです。
よって、有効なダミーテキストには
- 「ひと目でそれと分かること」
に加えて、 - 「みじかい文章の反復された(意味のない)羅列であること」
が必要です。
英語(欧文)のダミーテキストと日本語(和文)ダミーテキストの違い
次に、英語(欧文)のダミーテキストと日本語(和文)のダミーテキストを比較しながら、一般的に使用されている有名なものを紹介します。
英語(欧文)のダミーテキスト
欧文のダミーテキストは反復された羅列ではないことが知られています。
にもかかわらず、それがまぎれもなくダミーテキストであると言えるのは、まともに読むことのできない言語(意味をもたない文章)で書かれているからです。
欧文のダミーテキストとしては「Lorem Ipsum(ロレム・イプサム)」が知られています。
Lorem Ipsum(ロレム・イプサム)の文章は英語ではなく、古典ラテン語で書かれたキケロの著作『善と悪の究極について』をもとに作られたダミーテキストですが、自然言語としては存在しません。
このように欧文のダミーテキストは、一見するとふつうの文章のように見えますが、ほとんどの単語には意味がなく、文章そのものがまともに読むことができないものとして作られています。
日本語(和文)のダミーテキスト
一方、日本語(和文)のダミーテキストでは、文章自体は読めるものが一般的であり、有名な文学作品が使われることが多いようです。
親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇をしたと聞く人が
夏目漱石『坊っちゃん』
夏目漱石『坊っちゃん』の冒頭などは、ダミーテキストとしてひろく利用されてきたために「ひと目でそれと分かる」という条件を満たすことになった例といえるでしょう。
ほかにも、夏目漱石の『草枕』、宮沢賢治の『ポラーノの広場』がダミーテキストとして活躍しています。
山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。
夏目漱石『草枕』
あのイーハトーヴォのすきとおった風、夏でも底に冷たさをもつ青いそら、うつくしい森で飾られたモリーオ市、郊外のぎらぎらひかる草の波。
宮沢賢治『ポラーノの広場』
これらの文章はダミーテキストとしても有名なものですが、もとが名作小説であるだけにテキストを読ませてしまう欠点があります。この欠点を補うために、たとえば次のような工夫がなされている場合もございます。
これは『草枕』の冒頭を反転させたものですが、まともに読むことができなくなっており、ダミーテキストとしては分かりやすくなっています。
ほかにも意味のない記号を羅列してみたり、独自にダミーテキストを生成できるWEBアプリなどがあり、理想的なダミーテキストを求めてさまざまな工夫が行われているようです。
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