【本の背表紙】デザインのヒント6選
卒業アルバム以外の無線綴じなどは引き続き承っております。
目次
背表紙とは
背表紙とは表紙の背にあたる部分の名称です。
英語では「spine」 といいますが、これには「背骨」という意味があります。
つまり、背表紙には物理的に本を支える役割があるのです。同時にまた、背表紙とは本の「顔」でもあり、書籍の外観においてとりわけ重要な要素になります。
そこで今回は、背表紙デザインのヒント集として、6つのポイントを実例とともに紹介したいと思います。「背表紙の作り方」については関連記事:背表紙のデザインが参考になるでしょう。
1.背幅を確保する
背表紙をつくるには、まず背幅を確保しなくてはなりません。
背文字を入れるための最小幅はおよそ3mm程度ですが、背表紙をデザインするならば最低限10mmは欲しいところです。
背幅10mmを確保できる必要ページ数を 背幅計算ツールで調べてみると、193-194ページになることが分かります。選択した表紙用紙は色上質紙特厚口、本文用紙は上質紙70Kです。
背表紙は何ページからできる?背幅は何mm必要?【無線綴じ冊子の製本】
背幅を増やす方法
用紙の種類によって背幅は大きく変わりますし、扉、口絵、見返しなどを挿入すれば、背幅をすこし厚くすることができるでしょう。
また、巻末や章末に白ページ(印刷なしのページ)を追加してページ数を増やすこともできます。これらは本文の前後に余韻を与えるために用いられる構成手法ですが、背幅を確保したいときにも有用です。
*注意*
本文そのものに改行や改ページなどを(不必要に)追加して、ページ数を水増しするのはおすすめしません。
2.フォントを工夫する
背文字のフォントは表紙タイトルと同じものを用いるのが一般的です。
同じフォントにすることで全体に統一感をもたせることができます。また、色や大きさを変えることで背表紙を際立たせることもできるでしょう。
(上の画像)
表紙・背表紙ともに「新装版」はゴシック体、「数学読本」は明朝体に統一し、数字の色だけを変えることですっきりした背表紙になっています。
このように色をうまく使ったデザインは背表紙でも効果的で、とくにシリーズものでは欠かせません。
3.色分けをする
シリーズものの本には色で統一感を出している背表紙があります。
文庫や新書などでよく用いられる手法で、この場合の色は単なる装飾ではなく、情報としての役割もあります。
(上の画像)
タイトル部分と著者部分が色分けされています。
また、同一作者は同一色に統一され、インデックス番号が付された背表紙は、棚に並べたときの見た目がきれいです。
講談社文庫は著者名をタイトルの上部に配した背表紙デザインの嚆矢であり、これにより作家名から本を探すことが容易になりました。
4.ロゴやイラストを配置する
独自のロゴを作成し、それを背表紙の適当な位置に添えておくだけで背表紙のデザイン性は格段に向上します。各出版社には独自のロゴがあり、お手持ちの本を見て参考にするとよいでしょう。
また、ロゴではなくワンポイントのイラストを配している例もありますが、これには十分な背幅が必要です。
5.背文字の向きを横書きにする
イラストを挿入できる程度に背幅があるならば、タイトルを横書きにすることも可能です。タイトル部分に帯を配したり、箔押しをすると伝統的な雰囲気になります。
イシダ印刷の冊子印刷では、無線綴じ冊子の背表紙にも箔押し加工を追加できます。
6.雑誌の場合
無線綴じの雑誌には背幅が薄いものが多いですが、じつは一般書籍よりも背表紙が重要になってきます。
各号の内容が棚に並べた状態でも分かるように、その号に載っている主要な情報を背表紙にも記載しておくとよいでしょう。
雑誌の背表紙に必要な情報
- 雑誌のタイトル
- 年間の号数(例「2024年9月号」)
- 通巻の号数(例「vol.51」「no.672」)
- 主要な特集や連載の見出し
- 出版社名
少し古いものになりますが、次の3誌を比較して確認してみましょう。
3誌とも色を特徴的に用いており、タイトルの次に「特集記事」を目立たせていることが分かります。
『大学への数学』といえばゴシック体、『数学セミナー』といえば明朝体というように、タイトルフォントが雑誌を認識、想起する重要な役割を果たしており、書店でも同じカテゴリーの本の中からでも見つけやすい利点があります。
また、『数理科学』には通巻号数の表記がなく(表紙にあります)、『数学セミナー』では特集のほかに連載見出しも載っています。『大学への数学』の下部にはイラストの帯が配されており、号をまたいだ「続き絵」になっています。
以上、背表紙のデザインを見てきましたが、いずれもこだわりをもって作られていることが分かります。
とくに色や書体は書籍イメージと強く結びつくことになりますので、気を抜かないようにデザインを検討しましょう。
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