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「銀河鉄道の夜」のジョバンニもアルバイトしていた!?~印刷の歴史(1)

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銀河鉄道の夜印刷の歴史において革命的な一大転機をもたらしたのは、ヨハネス・グーテンベルクによる活版印刷技術の発明であると言われています。1450年頃のことでした。活版印刷とは活字を組み合わせてつくった版で刷る印刷技術のことです。ある皆さまの中には宮沢賢治の作品「銀河鉄道の夜」を読まれた方も多いと思います。その中には主人公ジョバンニが「活字拾い」(文選)のアルバイトをするシーンが出てきます。

その方法は、まず鉛などでつくられた活字、これはいわゆる小さなひと文字分の印鑑のようなもので、その小さな活字を原稿の文字の分用意することになります。「銀河鉄道の夜」のアニメーションなどのシーンで見られるように、活字が置かれた棚で壁一面が埋め尽くされています。その中から原稿に合わせてひと文字ひと文字拾っていくのですから、その作業の細かさや大変さといったら想像もできません。おそらく膨大な人手と時間がかかったことでしょう。

この活版印刷が初めてヨーロッパで使われた書籍は聖書だと言われています。考えてみれば日本語と違い、アルファベットは26文字しかありません。膨大な漢字やカタカナ、平仮名が存在する日本語に比べればその作業はまだ楽だったのかもしれませんね。

凹凸ある手触りが味わい深いと見直されている活版印刷

日本や中国などの漢字文化圏では活字の数が膨大になってしまうため、活版印刷もそれほどは普及しなかったということです。確かに現在使われている常用漢字だけで約2000文字、漢字とは言っても印刷に必要なのは日本で使われるものだけではないのですから総文字数というと約50万文字ほどあるのではないかと推測されています。もちろん平仮名やカタカナを含めた各国の文字をそれらに合わせるとなるといったいどれほどの数になるのでしょう。考えただけで気が遠くなりそうです。

また当時の日本では主に縦書きであったため、漢字の崩し文字などの対応も難しいという理由で活版印刷が普及しませんでした。実際、それまで活字を用いなかった日本や中国は、18世紀頃までは活字を用いる他国より出版部数が多かったそうなので、活字拾いという作業がいかに大変であったかがよくわかります。

しかし近年ではこの大変な作業である活字拾いわざわざ体験したいという人がいるようです。仕事として一定の数をこなさなければならないとなると確かに大変ですが、ひと文字ひと文字に心を込めて活字を拾う作業は愛おしいものがあります。仕上がった印刷物は紙に凹凸が出て味わい深い魅力があるのも確かです。贈り物として活版印刷でカードや名刺などをつくる体験をしたいという若者も出てきているそう。活版印刷体験ができる印刷所もあるようです。再注目される活版印刷、なかなか興味深いですね。

この記事の続きは・・・木版印刷から活版印刷へ ある日本人の活躍~印刷の歴史(2)

日本で木版印刷から活版印刷へと移り変わっていった様子、その時活躍した一人の日本人をご紹介します。


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