「自分年表」は人生をつくること ― はじめての自分史 作り方ガイド(3)
卒業アルバム以外の無線綴じなどは引き続き承っております。
今回から、具体的に「自分史」づくりにとりかかるための具体的な作業の方法をお伝えしていきましょう。準備はよろしいでしょうか?
これまでの人生を振り返るにあたって、まず大まかに「いつ」「何歳の時」「どこで」「何をして」「どう思ったか」などを、年代を追って書き出しましょう。「何も覚えていない」と思っていても、通っていた学校の名前や場所、友人の顔を思い浮かべたりしているうちに、芋づる式に次々と思い出がよみがえるはずです。
例えば幼稚園に通っていた頃にはなにも思い出がない、と思っていたけれど、実はその頃に夢中になっていたおもちゃや、世間で流行っていたテレビ番組、好きだった憧れの先生のことなど、いろいろなことを思い出してくることでしょう。
「思い出のバット」→「少年野球チーム」→「バッテリーを組んだA君はおもしろい子だった」→「そのA君とは今も飲み仲間」
順に思い出がつながって、では「今でも親友のA君に、当時の自分のことを話してもらおう」などということも思いつきますね。
成長した「今の自分」を実感できる
「できごと」だけでなく、その時「どう思ったか」を思い出して書くことをぜひおすすめします。「褒められてうれしかった」「試合に負けてくやしくて眠れなかった」など、当時の思いがありありと浮かんできて、懐かしい感情に癒されることと思います。
よく「昔を振り返ることは前向きじゃないから嫌いだ」という話も聞きますが、私はそうは思いません。昔があるから今があるのです。多くの人は、幼かった頃、若かった時の気持ちは、今とはかなり違うと感じるはずです。
それは、精神的に成長しているからにほかなりません。懐かしさを感じるとともに、現在の成長した自分を実感できることは、今と、これからの未来へ向けた人生に必ずや良い影響を与えるものだ、と私は思っています。
「自分に関するできごと」とともに、必ず「世の中のできごと」や「流行っていたもの」も書いておくようにしましょう。世の中の動きは多かれ少なかれ自分の行動や考えに影響を与えているはずです。また、現代との価値観の違いも見えてきて、あとから読み返す時により奥深い内容を盛り込むことができます。
はじめは「自分年表」などなにも書くことがない、と思っていた方でも、書き始めると次々に思い出されてきて、スムーズに進むと思います。年表そのものを「自分史」の中に入れ込むこともできますが、自分の半生を原稿にする際に、必ず必要な資料になります。
「自分を形づくったものはなにか」「影響を受けたできごとはなにか」
「自分年表」をつくることは、自分の核が認識できるだけでなく、これから進むべき道、やるべきことを教えてくれるものなのかもしれません。
>>次回は、写真集めもまた楽しい作業 ― はじめての自分史 作り方ガイド(4)
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