「紙」はいかにできたのか?~紙の歴史(1)
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印刷には欠かせない「紙」。現代では当たり前のように使われている紙ですが、どのようにつくられたのでしょうか。今回はこの紙についての歴史を振り返ってみたいと思います。
現在の紙に通じる、木を原料とした紙が最初にできたのは、紀元前2世紀頃、中国では漢の時代と言われています。その前までは、紙に代わる以下のようなものが紙の代わりに使われていました。
〇パピルス
パピルス草というカヤツリ草科の水草(原産地はナイル川の源流)の茎を細かく裂き、縦横に並べて圧縮し、感想させたもの。古代エジプトで使われていた。英語の「Paper」はこの「パピルス(Papyrus)」が語源。
〇羊皮紙
動物の皮を木枠を使って引っ張って伸ばし、表面をナイフで削って薄くし、乾燥させたもの。羊皮紙とはいっても「紙」ではなく皮。主にヨーロッパで使われていた。
〇粘土板
発掘された最古のものは主にメソポタミアの古都ウルクで使われていた「ウルク文書」と言われている。くさび形文字を葦の茎などでつけ、乾燥させたり焼いたりして文書を保存した。内容はほとんどが会計録や目録など実用的に使われていた。
〇木簡・竹簡
短冊状の細長い木の板で、古代の東洋において墨で文字を書くために使われた。紙の発明、普及により廃れた。紐で何本かを束ねて使うことが多かったといわれる。日本でも平城京跡などから木簡が発見されているそう。
日本でも生活必需品となっていった紙
現在の紙の原型になった中国甘粛省天水市の古墓で発掘された地図の描かれた麻の紙だそうです。この紙には前漢時代の地図が描かれていました。史書に残されている記録では、後漢書(中国後漢朝について書かれた歴史書のこと)に蔡倫(後漢の宦官)という人が「木の皮や麻から紙を作り和帝に献上した」という内容の記述があるそうで、この蔡倫という人は現在では紙を改良した人だということで一般的に認識されています。
日本で実際に紙をつくるようになったのは7世紀の頃。飛鳥時代、聖徳太子がいた時代です。主にお経や法律などを書き写すために使われていました。
江戸時代に入るとコウソやミツマタなどを原料とした手漉き和紙がつくられるようになり、障子やふすま、傘など実用品として、また浮世絵や屏風絵などの芸術品としても広く使われるようになっていったようです。
次回はその後、現在でも一般的に使われている洋紙が日本に入ってきてから現在までの紙の歴史を追っていきたいと思います。
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