「紙」の現在と未来~紙の歴史(2)
卒業アルバム以外の無線綴じなどは引き続き承っております。
前回の紙の歴史についての続きです。
日本では江戸時代に和紙の生産が最も栄えましたが、洋紙の製紙技術が導入されてから、大正時代にかけては衰退の一途をたどっています。明治時代には機械化が進み、現在、日本の和紙生産量は紙全体の0.3%程度となっているそうです。
ところで「和紙」と「洋紙」の違いはご存知ですか?実は原料と手法に違いがあります。和紙の原材料は麻、三椏(みつまた)、楮(こうぞ)、雁皮(がんぴ)など。ネリという糊を使って、職人が手づくりで漉き、作成されます。それに対し、洋紙とは広葉樹・針葉樹と廃材などをパルプにし、機械で大量生産されます。一部古紙なども材料として使われるため、漂白してからつくられることもあるため、材料といっても多岐にわたっているともいえます。
現在、印刷でつかわれる一般的な紙は機械でつくられる洋紙です。原材料の木材を細かく砕いたチップを機械や化学処理ですりつぶし、パルプをつくります。材料によってできあがる紙の質も変わり、広葉樹が多ければ紙が柔らかくなり、針葉樹が多い場合は強い紙ができます。さまざまな質のパルプは配合の割合により、できあがる紙の性質も変わってきます。
紙はこうしてつくられる
では紙の製造工程を簡単に確認してみましょう。
1 原材料の木材をチップ化し、厚みや大きさをそろえる
2 薬品を加え高圧、高温で煮て樹脂を溶かし、繊維分を取り出す
3 ゴミ等の異物を取り除き、洗浄
4 蒸解釜に残った樹脂は酵素で分解
5 薬品を使用して漂白
6 ワイヤー上に均一に広げる
7 プレスで水分を絞り、乾燥させる
8 できあがった紙を巻き取る
簡単ではありますが、おおむね以上のような行程を経て紙はつくられています。
現在のような紙製作の行程は20世紀の中頃には確立したといわれています。その後も技術は進み、さまざまな用途に合わせた機械の開発、改良は重ねられてきました。近年では世の中の動きに合わせ、例えば化学薬品の使用を控えたり、古紙パルプを使用したりするなど、省エネや地球環境に配慮した動きも見られます。
デジタル化が著しい現代ではペーパーレスが一般的になりつつあります。しかし、その一方で形と重さのある本の存在感は増していると私は思います。大きな可能性を持った紙とそれを使った本は、まだまだ新たな価値を生むのではないかと信じています。
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