誌面デザインのフォント講座 その2【文字の単位「級」】
卒業アルバム以外の無線綴じなどは引き続き承っております。
文字の大きさを表現する単位はptが一般的です。
しかし、ptはinch(インチ)を基本にした単位なので、インチの馴染みがない日本人にとっては数字だけ見てもどのくれいの大きさか分かりません。
印刷用冊子のデザインに慣れた人なら、8ptは大体このくらい、と大きさの見当が付きますが、きっちりと計算してデザインをしたい人にとっては、mmに換算した時に小数点以下の数字がずらずら並ぶ単位は扱いにくく感じられると思います。
特に、学会誌や会議資料、小説など、行数の多い冊子のデザインは、文字の大きさと行間(行と行の隙間の大きさ)をきっちり設計して仕上げたいところです。そこで便利なのが「級」という、日本のエディトリアルデザインの現場で古くから使われてきた単位です。
級という単位について
フォントサイズを表現する日本独自の単位で、1級は0.25mmです。
単位の由来はquarter(1/4)の頭文字の「Q」であり、「級」という漢字は当て字です。文字の高さ1mmにしたい時は4級にすればいいので簡単です。
級とセットで使われるのが「歯」という単位で、行や字送りに使われます。
レイアウトソフトでは「H」と表示されています。
こちらも1歯は0.25mm (1/4mm)で、写植機の歯車の「歯」からきています。
このことから分かる通り、「級」や「歯」は写植時代に使用されていた単位なのですが、現在でもエディトリアルデザインの現場では「級」が基本的に使われています。
文字サイズを「pt」で設定して作っていても、デザイン用語は級のままだったりします。たとえば「この誌面の最低級数は6ptで」なんて言ったりするのです。
Qを使えば余白の計算も簡単
12Qの文字で行間を文字と同じ高さにしたい場合、3mm+3mmで一行6mmの高さになります。
この文字をA4縦サイズの誌面にレイアウトしたい場合、6mm×40行=240mmなので、高さ297mmの誌面の上下の余白は(297-240)÷ 2で28.5mmに設定すると均等に文字が収まることになります。
最初に文字の大きさ、行送りを決めてから余白を設定すると、レイアウトの時に非常に楽です。
Q、pt、mmの早見表
ptと級の具体的な大きさについて書いてきましたが、ptと級を頭の中で対応させるのはなかなか難しいので、慣れないうちは早見表を見ましょう。
小説や報告書、学会誌等の本文によく使われるサイズの「9pt」は約13級で、高さは約3mmであるということが分かります。
印刷の最の最低級数はptの場合は「6」、級の場合は「8」ということを頭に入れておけば、失敗しないでしょう。
誌面デザインのフォント講座
全4回。
フォントの基礎、書体や書式によって読者に与える印象、本や冊子の種類によって向き不向きがあるフォントなどを紹介しています。(この記事は2回目)
誌面デザインのフォント講座 その3【ゴシック体と明朝体の使い分け】
誌面デザインのフォント講座 その4【タイトル向き、本文向きのフォント】
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